自分の長所を伸ばしていれば、短所も同時に伸びてくる。

今日は、そんなお話です^^

 

子ども達の課題 感情のコントロール

寺子屋 松葉塾を開始して、1年ほどになりますが、

最初は1人の子からはじめ、少しずつ通ってくれる子が増え、
まだまだ人数は小員数ですが、それでも人が集まれば、皆が気持ちよくいるために、
考えないといけないことが色々と出てきました。

それが、嫌なことや、誰かからの行動で怒りが出た時の解決法です。

これまでも、対人面での問題、カッとなってつい手が出てしまったり、殴ってしまう子。

自分を必要以上に責めてしまう子。

それぞれ、さまざまな課題があるなと感じました。

 

共通するのは、「感情のコントロール」です。

 

なぜ、その子が怒ったかついては、納得できるかどうかは別として、それぞれの子にそれぞれの正当な理由があります。
その子の立場に立って考えてみると、分からないでもない部分はたしかにあります。

しかし、やはり暴力で解決するというのはまちがっていることは教えていかなければならないなと。
ちゃんと、人は話し合いやコミュニケーションができるわけですからね。

 

相手の子の暴力が原因で、安心してこれない子が出てきてしまったり、
向きあっていかなければならない課題だなとずっと考えていました。

でも、ここが本当に難しい。

これまで、その都度、殴ってしまったり、暴言を吐いた子に対しては注意し、
話をしてきたのですが、

耳を塞いで「あー」と叫んだり、話し合いが全くできない。

こちらの思いが、どこか深くは、その子には入っていない感がありました。

みんなでの話し合い

そこで、今回、この問題について、「もう1度しっかりみんなで考えたい」と思い、
みんなで、半日かけて、話し合いの場を設けました。

被害者、加害者ということではなく、全員で考えないといけない問題だなと。

 

まず、「そもそもこの松葉塾がどういう目的で作った場所なのか」、
「どういう力をつけてほしいのか」、その辺りからお話しました。

 

一言でいえば、この寺子屋の目的は、「生きる力を育む」ということです。

生きる力には、さまざまなことがあります。

「本来の自分らしく」いられること、自分を愛すること、人を思いやる心、人とのコミュニケーション能力、
さまざまな体験からの学び、自分の好きなことや興味のあることを理解すること、自分自身が何を大事にしたいのかわかっていること、
他人に流されず、自分の頭で考えること、何か問題が起こった時に、自分の力で解決できること、勉強もそうですね、
生きていくのに必要な知識を学ぶこと、読み書き、生活のこと、他にもたくさんあります。

 

そして、ここを皆が気持ちよくいるためには、「全員が安心していられること」がとても重要になってきます。

何か自分が腹が立った時、暴力という解決では、本当の問題は解決していません。
その解決法では、自分も相手も傷つきます。
だから、自分の思いをちゃんと、言葉で表現すること。相手の立場にも立って考えれるようになること。

こういった力をつけてほしいことを伝えました。

具体的に、いつもの怒りが出た時のパターンをシュミレーションして、
松葉 「例えば、自分が【やめて】と言っても、それでも相手がやめなかったら?」

子ども「殴る」

松葉「うん、それだとこれまでと同じやよね、だから、今日この話をしてるんさ」
と、1つ1つシュミレーションしていきました。

こういう場合は、どうする?という感じで1つ1つ、一緒に考えていきました。

 

これまで、こういった真面目な話はあまりして来なかったのですが、
感触として、少しは響いたんじゃないかなと感じました。

 

なぜかというと、その後、少しこの子の行動が変わったからです。

 

ある変化

 

みんなでバトミントンしてた時、一人の子が勝負に負けて、悔しくて泣きだしました。
勝敗つけずに楽しもうか?と提案したんだけど、
「それは、嫌だ」「ハンデがあったら卑怯な気がするから絶対いらない」と言っていたので、
もう1度やったけど、また負けました。悔しくて自分自身を叩いたりしてた。

試合もなかなか進みません。
普段だったら、そういう姿みて、イライラしてキツイ言葉かけたり、嫌がらせしてた子が、
今日は、その子のことを気遣う言葉かけができていた。

「また宝くじ作ってその分の景品やるでな」とか、
いろんな言葉かけで励ましたり、

思いやって、声かけしてるのが伝わってきました。

 

後で、陰で呼んで、「ベリーグ〜!!!あの関わりすごい良かったよ!すごい!」ってめちゃくちゃ褒めました。

そしたら、すこし照れながらもまんざらでもない様子^^

その後、優等生のごとく、自分から掃除まで、し始めました。

普段、自分からは絶対やらなかったのに(笑)

 

ここで感じたことですが、今までは、その問題行動にばかり目がいっていて、
注意や叱ることが多かったこと。あまり褒めれてなかった。

そのやり方は、この子には合っていなかった。
ということです。

 

もちろん限度を超えたことや、相手に危害を加えるようなこと、危険なことに関しては、
きちんと注意して教えなければいけないと思っています。

 

それを踏まえての気づきなのですが、これまでのような、
どうしてもその子の「短所の部分をどうにかさせきゃ」という目で見ていた関わりは、
余計に反発したり、すねたり、なかなかうまくいきませんでした。

要は、その子をどう見ているか?というこちらの意識の問題になります。

長所にフォーカスする

この子の場合は、「人を助ける」ということが長所だったのです。

だから、そこをクローズアップしてあげれば良かったということです。

 

「あの子ここ、困っているから助けてあげてくれるか?」

「これ手伝ってくれる?」
という感じで、こちらからお願いしたり、頼ることで、
この子のいい部分が光るのだなと再認識させられた経験でした。

本当はみんな優しいんですよね。

 

先ほどの、ストレスがたまると自分を叩いて解消しようとする子も、
自分で自分を叩けば、自分が苦しくなってしまうから解決法としては良い解決法ではないとは思います。

ただ、それにも理由があって、
話を聞いていくと、「自分の気持ちや怒りをぶつけると相手が嫌な思いするから、そうするくらいなら自分を叩いて解消する」のだと。

この辺りは、そうじゃない解決法を教えてあげないといけないなと思いつつも、

ただ、これも根本に優しさがあるから、こういう考え方になるのかなと感じました。

 

相手よりも自分が傷つく方を選んでいるんです。
これって優しい子だなって思うんです。

誰かの誕生日とかお祝いの時、プレゼント考えたり「おめでとー」って、
1番気持ち良くお祝いできてるのもこの子でした。

 

すごいなーって思います。

それぞれの良い部分にフォーカスすること。これは大切なことだなと感じます。

 

これからの時代の教育で大切なこと

些細なことかもしれませんが、
個人的に今回のことは、暴力が出てしまうという、この子の中で、たしかに「何かが変化した」感じがしました。

 

行動が明らかに変わったからです。

 

こういうことって、学校でも家庭でもあるんじゃないかなと思います。

 

これまでの教育は、その子の短所を克服することを中心に行われている部分が多いなと感じます。

(バランス的に、短所にフォーカスが少し強いかな)

 


人と違うからこそ、本当は素晴らしいんですけどね。短所も含めて。

 

学校とかでよくあるのは「社会に出た時、困るから」と、
親切心から一生懸命、短所を克服させようとするんだけど、
これは、なかなか難しいやり方だなと思います。

同時に、「あなたはダメなんだ」という無意識のメッセージを与えてしまうから。

 

たぶん、これからの時代の教育は、長所に目を向けていく時代だなと感じます。

ここは、とても大切なことなのですが、

おそらく長所だけをみていけば、短所も自然と伸びていくものです。
これが、これからの時代、とても大切な教育法だなと感じています。

 

今回みたいに子どもの成長に立ち会えたとき、ものすごく幸せな気持ちになります。

この仕事をやっていて良かったと思える瞬間の1つです。

 

今回のお話の子ですが、この子は、リーダータイプの要素を持っているのでしょうね。
頼られることが、力になるタイプ。
すごく素敵な個性だと思います。

 

他にも、寺子屋に来てくれている全ての子に、素晴らしい長所があります。
みんなすごい才能を持っている。

ここが、どう伸びていくのかすごく楽しみな部分でもあります。

 

それをちゃんと伸ばしてあげれる人になりたいなあと、すごく感じます。

そのためには、その子の個性を大切にすること。

どこがその子の光る部分(長所)で、どこがその子の成長への課題(短所)なのか、
見極めていくことが大切だなと感じました。

 

僕が大事にしてること

僕が、新しい教育として大切にしていることとして、

「長所をみて、それ以外の短所はとりあえずフォーカスしない」
ということがあります。

もちろん、短所の部分は社会で生きていくために、
伸ばしていかないといけない部分ではあるのですが、

そこにばかり過度にフォーカスしてしまうと、
(短所をなんとかしなければとか)

その子の長所の部分を見落とす可能性があるということです。

今回の僕のように・・。

 

 

だから、「どうやったら長所が光るのか?」
ここを常に問い続けていく必要があるなと感じます。

 

まだまだ、僕自身、本当に未熟だなと思いながら、日々子ども達に教えてもらうことばかりです^^;

 

今日も読んでいただいてありがとうございました。